【日曜日の連載シリーズ3月編】
銀鯖道の夜
十三
ジロバンニは、
はつと胸が熱くなり、
そこら中きいんと鳴るやうに思ひました。
けれどもみんなはまだブルードラゴン波の間から、
「ぼくずゐぶん泳いだぞ。」
と云ひながらシギパネルラが出て來るか、
或ひはシギパネルラが一松にでも着いて立つてゐて、
こちらに歩いてゐるかといふやうな氣がして仕方ないらしいのでした。
【解説】
「ジロバンニくんは感受性が高い」
ここにそう書きました。
またはシャーマンみたいだとも気づきました。
もしかすると、
私たちの他に存在する
「他空間」という他面性要素を伝えてきているのかもしれません。
他空間についてですが、
量子力学における多世界解釈と同じものなので、
あまり聞き慣れない言葉かもしれません。
根拠を調べてみると、
超弦理論に詳しくあり、
ここでは割愛しますが、
とても興味深いものです。
宇宙では、
陽子や電子の反極となる反陽子や陽電子が確認されています。
この相反する事項が仏教で説くところの陰と陽であり、
超弦理論の「閉じた弦」と、
「開いた弦」という反極に見られることから、
パラレル・ワールド、
マルチ・バースなどの世界観が出てきて、
それが説得力があるというものです。
本編ですが、
「どこかにシギパネルラさんが現れる」
そんなことを予見したジロバンニくん。
これもひとつのシャーマニズム的感覚だと思います。
(14へ続きます)
文責:華厳旭 D.G.P.
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