【日曜日の連載シリーズ2月編】
銀鯖道の夜
十
ジロバンニはみんなの居る方へ行きました。
波乗人たちや町の人たちに圍まれて、
バリのヤマザキさんに似てゐる學校の先生が、
黒い服を着てまつすぐに立つて、
右手に時計を持つて、
ブルードラゴンの方をぢつと見つめてゐたのです。
みんなもぢつと海を見てゐました。
誰も一言も物を云ふ人もありませんでした。
ジロバンニの足がふるへたのは、
シギパネルラさんは、
もうあの銀河のはづれにしかゐない、
といふやうな氣がしてしかたなかつたのです。
【解説】
ジロバンニが、
母ちゃんにシギパネルラのボードのことを語る部分がある。
「シギパネルラさんは黄いろのボードをもつてこつちを見てゐたんだ」
これからジロバンニは、
シギパネルラさんと一緒に銀鯖道(ギンサバミチ)の旅に出ることになる。
日産ミヤサバン/ホーミーに乗って、
タマサキをひた走るのだ。
感受性の高いジロバンニくんは、
その世界をかいま見たのだろうか。
(11へ続きます)
文責:華厳旭 D.G.P.
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