〜9号までのあらすじ。
1970年代、ノースショアに住む「ぼく」は、
タウンに向かう途中でマウイ島に住む美女と再会する。
ワイキキでサーフする約束を車内でし、
カカアコで軽い食事をするため、
食堂にやってきたところで、
ぼくは、
彼女に抱く気持ちを伝えた。
10.
ぼくたちを乗せたフォード・ランチェロは、
KAM、
キャームと呼ばれるカメハメハ・ハイウエイを背に、
アラモアナ大通りをほぼ東にむかって走っていた。
ぼくは、
ラジオのチューンを830
(KHVH=Kaiser Hawaiian Village Hotel / KIKI)にした。
放送局が近くにあるからか、
しばらくのあいだヒスノイズがなくなった。
ちょうどレッド・ツェッペリンの、
『天国への階段』がかかった。
8分にわたるアルペッジョから始まる楽曲だ。
アコースティック・ギター
「ハーモニーH1260」の柔らかい音へ、
リコーダーが重なる。
劇仕立ての、
伝説物語のような、
ロック変奏曲だ。
クラシック音楽界の帝王カラヤンですら、
これを「完璧」だと絶賛しているという。
そして「パーシー」こと、
ロバート・プラントによるワイドレンジなアジテーションが始まった。
パーシーの持つ、
信じられないほどパワフルなボーカルによって、
ぼくはこの曲に内包されている
「何か」
を聴くたびに受け取っていた。
And a new day will dawn for those who stand long,
新しい夜明けを受ける人は、
And the forests will echo with laughter.
すべての幸せに満たされるだろう。
世紀を超えたサウンドが先導するように、
奇跡のカルチャーが極まっていくのを、
ぼくは楽曲から感じ取っていた。
(11に続く)
□
The post 【サーフィン研究所:連載】彼女の島-10_(735文字) first appeared on naki's blog | NAKISURF.COM ナキサーフボードカリフォルニア.