ノースハワイは、
激烈波の記憶だった。
きっと他の島にくらべて、
南岸(サウスショア)沖が急深なのだろうか。
North Hawaii
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その余韻を感じるひまもなく、
日本の南岸には台風2号からのうねりが届いた。
台風2号(マーワー・MAWAR)は、
季節外れのスーパー台風と評価され、
奄美大島や沖縄にはもちろん、
四国や九州、
本州へくまなく波を出した。
一昨日までは、
この台風が湘南へ南東うねりを届けていたが、
昨日より南西に向きを変えた。
南西うねりだと、
湘南は相模湾内の東面が正面となる。
よって、
そのうねりはサーファーズ岬を出現させたのだ。
深夜に南西うねりが届いていることはブイ情報で確認していた。
岬まで直接行って、
暗がりのなか、
パームツリー通りから波を見ていると、
クラシックなツインフィンを抱えたサーファーが登場した。
カール・ヘイワードのフィッシュだった。
そんな逸品に乗るのは、
『ソウル・サーフィン』という思想と、
『グレイト・サーフ』というフィジカルが黄金比で配合されたサーファーだ。
彼のことを長年見てきているが、
熟成した想いを蒸留させたような、
磨いた考えを持っている。
彼はこの岬周辺のパーフェクトを愛し、
必ず夜明け前にパドルアウトするひとりだ。
こちらはサーファーズ岬を愛するあまり、
ブレイク周辺の清掃をするほど地域密着型のきんちゃん。
きんちゃんとフィッシュの彼は、
クラシック(最高の芸術作品)な
サーフブレイクにおけるサーファーのあり方を話していた。
「こんないい波なのだから、
ゆっくりと人生の一本を待ちます」
「その通りだ」(きんちゃん)
「なので、待てない人と一緒にサーフすると気持ちが騒ぎます」
「どんなとき?」
「大きく分けて2つのパターンがありまして、
一つめはとにかく波を追いかける人です」
「いるね〜。そういう人いるよ」
「はい。この波もあの波も乗ろうとするので、
しかもたいていは乗れないとか、
または止めてしまって乗らないので周りは困ります」
「順番は大切だよな〜」
「そうです。よく見極めて、
パドリングを開始して、
もしもそれに乗れなければ、
順番としては最後になるはずなのに、
そういう人は、
わかっていないのか、
欲が勝(まさ)るのかわかりませんが、
また次の波に乗ろうと漕ぎ出します」
「いるよ。たくさんいるよそんな奴」
「次はたくさん乗ろうとする人です」
「あの波をそんなに乗りたいのならインサイドとか、
ビーチブレイクでやってほしいよな」
「はい。乗って戻ってくるやいなや、
平気でぼくたちをブロックするように、
下からテイクオフしていきます」
「わかるよ〜。
いい波はみんな乗りたいし、
その前の波は、
そいつが行くからゆずったのに悔しいよね。
そいつらはすぐにプルアウトして戻ってきて、
またすぐに乗っていくよね。
「そうです」
「たいていそんな奴は、
自分はたくさん乗っているから偉いと感じているように見えるよな」
「はい」
「これはコンテストというか、
勝負至上主義の結果というか権化だけど、
そういうのも増えてきたよ最近は、
品がないよ下品だ」
すごくわかる話なので、
ここにポストさせていただいた。
真っ暗な道をかきわけて黄金波に乗ることができた。
夜明け前から6時間近くサーフすると、
干潮がやってきて、
それは潮位35cmというガリガリ・ウニロック状態だった。
普段はこのルートで戻ってこないが、
これまた前述したきんちゃんが、
「ウニがいないところ知っているよ」
そんな触れ込みで戻ってくるが、
恐ろしいウニが密集していて、
ゆらりゆらりと、
そのウニ地帯を進む私が写されていた。
@amsterdamwetsuits
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上がってくると、
なんと聖式カルちゃんがいた!
彼は初期からのドラグラ・メンバーで、
アムステルダム・コミュニティの大切な仲間でもある。
聞いてみると、
カルちゃんは4つ隣の、
シゲ&ジュニア・レフトでやっていたらしく、
「(サーファーズに)来れば良かったのに〜」
そう言って残念がった瞬間が、
前述したクラシック氏によって焼き付けられていた。
@surferszushi
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近ごろ「食物繊維健康法」にめざめた。
これで花粉症からも脱却できた恩がある。
よって、
海に入る前にグラノーラ&無調整豆乳をおなかに入れておいたが、
6時間近くサーフすると、
おなかと背中がくっついたというほど空腹となった。
グラノーラではないが、
最近の流行が、
『ソーバー・キュリアス』だ。
これは「酒を飲まない(ソーバー)」と、
Sober(しらふ)」と「Curious」をかけた造語で、
要はシラフ時間を増やそうという健康法なのだ。
よって、
サーファーズ自慢のマイティ・リーフで乾杯して、
そのキュリアスを満たした。
サーファーズ自慢のメキシカン風のコブサラダと、
メキシコを思い出すほど辛いハラペーニョ・ピザをいただき、
ようやく波乗りの興奮や、
台風波からの感受というか刺激のすべてが落ち着いた。
サーファーズ主宰のナルちゃんは、
「ガラさんのさ、
80歳の誕生会をやるよ」
ということで、
8月中旬にサーファーズ逗子でそれが催されるという。
「ガラさんって、
本当は180歳になるらしいよ」
どこかからそんな声が聞こえてきたが、
本当ぽい話でもある。
(巻末リンク*3を参照ください)
ガラさんに電話して直接確認すると、
「やめてくれよ〜。
80歳で・す・よ。
正真正銘の80歳だよオレは」
やたらと本当の80歳だと力説していたので、
やはり怪しいと岸さんと話していた。(笑)
この台風接近で各地は大変なことになっているが、
どうか災害とならないでと祈るばかりである。
ちなみに春でこの勢力だから、
海水温度が上がった秋口だと、
勢力を落とさずに天変地異のように大変なことになる。
想像するだけで恐ろしい。
人間にはどうにもならないことなので、
3日前のハービーの生き方を受けた瀧朗ではないが、
「最高の人生の過ごし方は、1日1日を大切に生きること」
“they say the best way is just to live one day at a time.”
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【巻末リンク:その発言日】
【巻末リンク*2:そのコミュニティ】
【サーフィン研究所渾身特大号】ノースハワイ到着まで_NAKISURFがアムステルダム・コミュニティに参加しました!_(2638文字)
【巻末リンク*3:ガラさんが180歳と言われるゆえん】
Happy Surfing and Happy Lifestyles!!
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The post 【サーフィン研究所渾身特大号】台風2号波_クラシック・ブレイクでの正式作法_サーファーズでソーバーキュリアス_(2575文字) first appeared on naki's blog | NAKISURF.COM ナキサーフボードカリフォルニア.