Fullmoon Plum Trees
昨日は夜半雪、
そしてほぼ満月であったので、
寒満月
雪梅
そんな俳句を作ろうと、
指を折りながらコーヒーを飲んでいた。
梅って、
ここまできれいなものだと知らなかった。
冬の終わりの使者。
Catch Surf 7′ Plunk
さて、友人のヤスくんは、
ウナクネ真式というか、
生まれついての「ウナクネ」らしく、
サーフィンを始めた頃から
「自分の好きなように」波に乗っていたらしい。
私も最初そうだったが、
オーシャングライドのビデオルームでトム・カレンのサーフィングを見て、
そのあまりのかっこ良さにその真似がしたくなり、
ーー少しの間ーー
かなり長い間、その道を外してしまっていた。
そして最近ようやく、その自発的なる世界に戻ってきて、
そのことをみなさんにお伝えする「広報部」という任務を持った。
さて、そのヤスくんの特技は焚火。
彼は自宅横に専用焚火エリアを持つほどであり、
その火の扱いは、点火から沈化まで完璧である。
そう、彼こそが一級焚火師であります。
この日は、
『モノリス』という石柱風の木版を燃やす記念すべき日となった。
モノリスは映画や小説『2001年宇宙の旅』に出てくる石柱状の謎の物体で、
各辺の比は1:4:9。
つまり3つの自然数の二乗となっている。
そしてTMA(Tycho Magnetic Anomaly:ティコ磁気異常)というネーミングでもあった。
そんなことを考えながら、意識は太古へと向かっていくようだ。
ごうごうと炎が燃えさかり、
そして安定していき、さらに薪が足されて、それを燃やしていく。
焚火10大用語
なんてのもあり、これは、
1.スターター=初期に薪に点火するもの。油分をたっぷりと含んだ松の枝や松ぼっくりが最良。
2.ごしん木=このしんは「芯」であったり、
「心」
「信」
「沁」
「進」
「深」
「振」
「審」
「清」
「森」
「薪」
「真」
「新」
はたまた「神」であるという。とにかくメインの薪。
この『ごしん木』の平成29年春は、ヤスくんが切り倒した杉を使用していて、
その太さによって、一晩、2回、3回、当分とグレードが付けられていく。
3.湿気=薪が含んでいる水分。少ない方が最良とされるが、時には湿気のあるものが、
蒸気や独特の香りを立てるので、焚火師たちの愉しみともなる。
4.ブースター=スターターと似ているが、やはり松の枝が最上級。火が沈んできたときに重要な役目を担う。
5.東西南北=薪から見た方角。
6.風向き=薪から見た風向き
7.安定=最良の炎の状態。これを長時間保つことが一級資格の条件。
8.暖エリア=風向きと地形によって、焚火を中心として暖気が集まる場所。
9.姿が見えない=途中でブースターや薪を拾いに行っている状態
10.三種の神器=酒(または焼芋)、椅子、音楽のこと。逆にこれ以外何もいらない。
そんな流儀の夜となるが、
この夜は山下達郎さん、南佳孝さん、大瀧詠一さん、ピンクフロイド、
竹内まりやさんの声がいすみの山の中にこだましていた。
1km周囲には人は住んでいない田舎の至福。
さて、焚火をすると、なんとネコが近寄ってくる。
普通、動物は火を怖がるのだが、彼らは別であるようだ。
番外編11.は焚火猫トリオ=梵(ぼん)、ナツコ、チャーくん。
番外編11-2.ヤスくんと瀧朗、そして私で焚火トリオ。(ツナくんが入ったらカルテット)
特にこの雄猫『梵』が火には一番強く、
こちらがジーンズを通して
「アチアチ」と熱くなっているさらに前方にいるので、
ご自慢の毛皮コートが燃えやしないか心配になる。
バーニングマンならぬバーニングキャットとならないことを祈る。
↑手前からナツコ、チャーくん、
そして隠れて顔だけ出しているのが梵。
チャーくんと梵。
彼らは雄雌の兄弟姉妹であるというが、
このようにいつも一緒で、とても仲良しである。
炎を見ている焚火猫に示唆を受けて、
こんなことを思いついた。
焚火根本理念十か条 (Takibi 10 Principles)
『全ての者を受け入れる共同体である』(Radical Inclusion)
『与えることを喜びとする』(Gifting)
『商業主義とは決別する』(Decommodification)
『他人の力をあてにしない』(Radical Self-reliance)
『本来のあなたを表現する』(Radical Self-expression)
『隣人と協力する』(Communal Effort)
『法に従い、市民としての責任を果たす』(Civic Responsibility)
『跡は何も残さない』(Leaving No Trace)
『積極的に参加する』(Participation)
『いまを全力で生きる』(Immediacy)
これは前出したバーニングマンというイベントの受け売りであるが、
焚火には、こんな理念まで登場するほど崇高で、
やはり炎の力は偉大だと再確認するほどでありました。
さて、その焚火猫の大好物は焼芋であり、
アルミフォイルに包まれた千葉産の芋が焼き上がる頃になると、
完成の香りがするらしく、まずは梵が火に近づき、
左前足で焼芋にネコパンチをして、火から外そうとする。
それが焼けた証拠。
ヤスくんは梵を制して焼芋を取り出し、
こうしてアルミ箔を剥がすと、
「グルルルゥゥゥ」と梵たちのうなり声が聞こえる。
(ごちそうのとき、こんな声を発する猫を多く知っている)
良く焼けた芋は私たちに、
そして出来の悪い芋はトリオに進呈されるのだが、
こうして梵とチャーくんはその出来を確かめるように寄り沿う。
ちなみにこのトリオ、
警戒心が強く、普段は一切近づけはしないが、
この焚火、または焼芋があれば、
その距離が近く、または親密となることが可能で、
とにかくもお近づきになれるのがネコ好きとしてはうれしい。
焚火で暖まったネコを抱いているイメージで炎に手をかざしていた。
一級焚火師の象徴であり、
そして大切な道具である『ロング・トング』、
通称ロントンを操るヤスくん。
ステッカーチューンが施されているという。
私もいつかは持ちたい。
そんなことを考えながらブースターを拾いに暗闇に出ると、
月は向こうの山に隠れ、
焚火煙をまとった満天の星空が降るように散っていた。
満月の建国記念の日、おめでとう。
日本神話の現代訳があったら読みたいと思った日です。
◎