2週間前の月曜日。
志田下オープンが終わった翌日。
未明にものすごい雨の音で目を覚ました。
「今日はヨゲさんとサーフする約束をしていたけど、どうしようか?」
そんなことを思いながらまた睡りについた。
夜明けになっても雨の音は変わらなかった。
コーヒーを淹れて、
原稿を書いているとヨゲさんからの電話。
「この雨、午後には止むらしいですよ」
それでは午後にぜひ。
ということになって、
ヨゲさんはJet中浦アキラさんと現れた。
Jetさんはその昔、
彼がニューポートビーチに住んでいるときにお会いしていて、
もっと昔には、
彼のお父さんであるサミーさんにもお世話になったのであります。
稀代のリッパーであるヨゲさんは、
彼が中学生だか高校生になったばかりの頃から知っていて、
なんと彼はサンクレメンテにサーフィング留学もし、
その上達した経緯も含めて全て文章にかけるほどであります。
そのヨゲさんが主宰しているカラーズマガジンは、
昔も今も全てを自分でアップしているワンマンショーで、
「今日新しくても明日は古い」
そんなWebの大変さを知っている私は、
彼の継続的なパッションと、
その表現方法に共感しているひとりであります。
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さてさて、そのカラーズマガジンの最新号、
『ウネクネ団、東に西に。ノースタイガー編』は、
思い返すと、今回1番の波だった幸運日でした。
All photo by Colors Magazine/Yoge
http://www.colors-magazine.com/
Jetアキラさん。
わかったのは、
彼もまた強度のウナクネ風味であるということだった。
クネリボトムターンからエア360をするのは、
世界広しであろうと彼だけだろう。
しかもその精度が高い。
天性の才能を持って、
さらには弾力のある体幹筋と、
野生動物のような視界を持っている希有なサーファー。
直ちに彼をウナクネ団長と任命し、
隠れウナクネ将軍であるRVCA(ルーカ)の洋平さんに許可を取った。
Jetさんは、
ノースタイガーのウエッジするセクションを楽しむように通過していく。
じつはこれ雨日で、
つまり午後になっても止まなかったのであるが、
炎のヨゲさんは、
「自分、大丈夫です。タオルとかありますし」
そう言って、ズブ濡れのまま堤防からカメラを構えてくれていた。
プロフェッショナルという言葉があるが、
まさにプロフェッショナルイズムそのもの。
その姿は感動的ですらあったエピソードです。
おかげでこのセッションをみなさんにお見せできる画像が残っている。
「百聞は一見にしかず」
なんと、この日はタラちゃんこと、
小野寺裕幸さんがいた。
彼は1980代の湘南では、
トム・カレンの化身かという波乗りをしていて、
それから30年経っても同様なサーフをしていることがうれしかった。
そして、
同じ歳であり、
『海楽』や『湘南スタイル』等で知られる
「大編集長」トミヤマさんが偶然取材に千葉に来られていて、
「どこかで一緒にサーフしましょう」
という約束をここで果たしたのでした。
そして森山鉄平さんのトルネードSターン。
彼もまたサーフィングを人生とし、
さらにはサーフボード作りに魅せられたひとり。
千葉の永遠のレジェンド蛸さんのファクトリーでその表現を続けているが、
ひさしぶりに見た波乗りもファインチューンされていてうれしくなった。
そして私。
一本目だか二本目の波が、
堤防にぶつかって跳ね返ってくるウエッジ波に直面していて、
けれど、「こういうスリルが最も波乗りの醍醐味を味わえる」
そう感じた瞬間のうれしきショットであります。
Nation Dream Crusher 5’6″ x 19 3/4″ x 2 5/16″/28.8CL
私もまたドリームクラッシャーの限界を知りたく、
高速でウエッジバックさせたり、
ノーズライドしたままバレルインしてみた。
これを撮ってくれたヨゲさんは、
「こんなサーフィンを始めて撮りました!」
そう言ってくれたのもうれしい。
グラブレイルならぬ、
グラブノーズしていたらメイクできていたかもしれないのだが、
後の祭りのジャンピングベイルがここに写っている。
ウナクネセッションの良きところは、
それぞれの自由なるサーフィングができることだろう。
規約や標準、さらには得点にとらわれず、
直感的なマニューバーを繰り出すのはいつものことながら楽しい。
そして、
我が身には珍しい3時間超えのニコリンセッションを終えた。
実際にJetさんとは始めて一緒にサーフしたのだが、
やはりウナクネ同門ということで、
すっかりと打ち解けてしまった。
ターンの話。
ハッピーサーフするための話。
そんな楽しい話題をしながら雨の夕暮れを歩いていった。
すばらしいセッションでした。
改めてここで写真を撮ってくれたヨゲさん、
そしていい波を乗り合ったグレイトサーファーたちに感謝いたします。
みなさん、今日も佳き日にしてくださいね。
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さてさて、サンクレメンテ。
こちらの本日の夜明けは、なんと気温1度と冷え込み、
それは寒い朝でした。
でもいつものようにサンオノフレに行って、
30分より長い時間をサーフし、
ハンセンズのサンドイッチを食べて帰ってきた。
タイラー・ウオーレンと食事をしていた時間に、
ちょうどジョンジョンの映画の試写会がニューポートであったという。
ジョンジョンのサーフィングを見ていると、
未来だなぁと思う反面、
私も含めた一般の人がこの彼のターンと同じことをしようとすると、
もしかしたら毎日5時間サーフして100年くらいかかるのではないか、
そんなことを思った。
こういうターンには憧れるが、
逆に「できない。しない」と決別する日が来て、
渋いターンをするのもサーフィングのすばらしさだと思いました。
それではみなさんもすばらしい週末を!
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